お直し(おなおし)

おいらんが店の若い衆とできて主人のはからいで世帯を持ち二人とも通いで働くことになった。二人で働くので金ができた。そのうちに男はバクチにこってすっからかんになってしまう。店も休みがちなので顔を出しにくくなり、蹴転という最下級の女郎屋を自分ではじめた。女房に客をとらせて自分が客を呼び込む。一人の客に長くいられると困るので線香一本のとぼる時間単位に区切り、さらに続ける場合は「直してもらいなよ」と亭主が声をかけ、女房が改めて金をとるというやり方。最初にきたのが左官の職人、これと女房があまりうまくやっているので亭主はやいて、べつに「直してもらいなよ」。客が行った後、亭主は「おまえあいつの女房になるのか」と客にいったことをまに受けて夫婦げんか。しかし「おまえさんといつまでも一緒にいたいからこんなことをしているのじゃないか」と泣かれて仲直り。夫婦仲良く話していると、さっき出ていった客がふらふらっと帰ってきて「おう、直してもらいなよ」

解説
古い江戸廓話だが、難しいのであまりやり手がない。三代目柳家小さんから五代目古今亭志ん生に伝わっている。

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