元犬(もといぬ) 別名「白狗」
浅草蔵前の界隈にいた白犬が人間に生まれかわりたいと八幡様に祈願した。おかげで人間になれたが、はだかで困っているところへ日ごろかわいがってくれる町内の上総屋という人入れ稼業の主人が通りかかり自分の家へ連れて行って食事をさせたうえ、出入先の隠居のところへ連れて行く。この隠居はかわった人間を探していたのだがたいへん気に入る。ところがトンチンカンなことばかりやるので、隠居はしまいに気味が悪くなって女中のおもとを呼び「もとはいぬか」「へえ、けさほど人間になりました」
解説
心学からとった落語といわれる。