まんじゅうこわい 別名「まんじゅう嫌い」

若い衆が大勢集まって話をしているうちにヘビがこわいと言い出した者がいる。つづいて他の者がナメクジがこわい。カエル、アリ、オケラ、クモ、ウマ、ナンキンムシなど次々にこわいものが上げられると最後に松という男がまんじゅうがこわいという。一同はからかい半分にいろいろまんじゅうの名を上げると、松は気分が悪くなったととなりの部屋で寝込んでしまった。あいつはいつもいばっているからこらしめてやろうと、みんながまんじゅうを買ってきて松の枕元につんで置く。外から様子を見ていると、松は「こわい、こわい」といいながらまんじゅうを食べだした。計略にまんまとかかったのに気がついた連中は怒って「ほんとはなにがこわいんだ」「ここらでよいお茶が一杯こわい」

解説
中国の笑話が原話(「笑府」の「饅頭」)。このほか安永八年江戸板「気の薬」寛政九年江戸板「詞葉の花」にも「饅頭」という原話と見られる小ばなしが載っている。

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