火焔太鼓(かえんだいこ)

道具屋の甚兵衛が市できたない太鼓を仕入れてきた。女房は「またろくでもないものを買って来て…」と小言を並べる。甥の定吉がほこりをはたきながらおもしろがってたたいていると、侍がやって来て「殿が駕篭でお通りのところ太鼓の音を耳に入れられて、どういう太鼓かみたいと仰せられるから屋敷まで持参いたせ」という。おっかなびっくり甚兵衛が太鼓を持っていくと、これは火焔太鼓という二つとない名器だと三百両で買い上げられた。帰って女房に話をすると「もうかったねえ、これからはなんでもかまわないから音の出る物に限るねえ」「こんどは半鐘を買って来て…」「半鐘はいけないよ。おじゃんになる」

解説
初代三遊亭遊三から五代目古今亭志ん生に伝わっている。

落語TOPペ-ジへ